はむ。日記

離散数学とか解析学とかアニメについてつぶやきます。

最短距離の起こる回数

[Thm]

平面上にn(n≧3)個の点が与えられたとき、最短距離は3n - 6個より多くは起こりえない。

(証明)

最短距離を rとおく。

点の個数 nのグラフGを次のように定める。

「Gの頂点集合を P_{1},P_{2},...,P_{n}とする。また2点 P_{i}, P_{j}間の距離が rのときに限りそれら2点を結ぶ。この操作により得られた線分の集合をGの辺集合と定める。」

[Claim]

Gは平面グラフである。

(proof of Claim)

Gが平面グラフでないとする。

つまり2辺 P_{i}P_{j}, P_{k}P_{l}が点 Qで交わっているとする。

三角不等式より

{ QP_{i} + QP_{k} ≧ P_{i}P_{k}}

 QP_{j} + QP_{l} ≧ P_{j}P_{l}.

よって

{\displaystyle\ P_{i}P_{j} + P_{k}P_{l} > P_{i}P_{k} + P_{j}P_{l}}

つまり{\displaystyle\  2r > P_{i}P_{k} +P_{j}P_{l}}

これより P_{i}P_{k}, P_{j}P_{l}の少なくとも一方は r未満である。

これは rの定義に矛盾する。■

 

Claimにより、Gが単純平面グラフであることがわかる。

よって

togedemaru419.hatenablog.com

↑により点の個数 nの平面グラフGの辺の本数、つまり最短距離が起こる回数は 3n - 6以下である。■

 

うまいことグラフを定義して特定の距離が起こる回数を、定義したグラフの辺数に帰着させてるところが面白いですよね。