はむ。日記

離散数学とか解析学とかアニメについてつぶやきます。

オイラーの公式の応用

[Def]平面グラフ

グラフが平面グラフであるとは、辺が交わることなく平面(または2次元球面)上に描くことができるグラフのことである。

 

オイラーの公式

Gが連結平面グラフで、n個の頂点、e個の辺、f個の面を持てば、次の関係式が成り立つ。

{\displaystyle\ n - e + f = 2}

 

[離散幾何でしばしば使われる命題]

Gを空でない単純(多重辺とループがない)連結平面グラフとする。このとき以下が成り立つ。

(1) Gは高々5次の頂点を持つ。

(2)Gの辺の数は高々3n-6である。

(記号の注意)

k面とはk個の辺で囲まれた面のこととする。

f_{k}k面の数とする。

n_{i}をグラフGにおける次数iの頂点の数とする。

 

(証明)

Gの頂点数をn,辺数をe,面数をfとする。

Gは単純グラフだから、あらゆる面は少なくとも3つの辺を持つ。

 f = f_{3} + f_{4} + f_{5} +.....

 2e = 3f_{3} + 4f_{4} + 5f_{5} + ....

が得られ、 2e - 3f ≧0 となる。

ここで、もし全ての頂点の次数が少なくとも6であれば

 n = n_{6} + n_{7} + n_{8} + ...

 2e = 6n_{6} + 7n_{7} + 8n_{8} + ...

が得られ、2e - 6n ≧0となる。

2つの不等式をあわせると、

6(e - n - f) = (2e - 6n) + 2(2e - 3f) ≧0

つまり e ≧ n +fが得られるが、これはオイラーの公式に矛盾する。■

(2) (1)より2e - 3f ≧0が得られていたので、オイラーの公式から

 3n - 6 = 3e - 3f ≧ eとなる。■