拡張作用素
前回のブログではSobolevの不等式を示しました. しかし関数の定義域が全空間であるため, 定義域が全空間でない場合だと使えません. そこでソボレフ関数の定義域を全空間に拡張し, Sobolevの不等式を適用することを考えます. それが以下の拡張定理です. ただし, 無条件にいつでも全空間に拡張できるわけではなく, 領域の境界に何かしらの滑らかさを仮定することになります.
[定理] (Extension Theorem)
は有界開集合で境界 は 級であると仮定する. を となる開集合とする. このとき有界線形作用素 が存在して以下を満たす:
(1) a.e. in ,
(2) ,
(3) .
証明はEvansのPDE本を読んでみてください. より一般的な結果が宮島静雄先生のソボレフ空間の基礎と応用(共立出版)に書かれています.